清楽「碁」物語

囲碁の「切り賃」について

「碁の計算方法」で出てきた「切り賃」についてです。

ちょっとややこしいですが…「石の集団ごとに得点(石の数+地の数)から2点マイナスする」のが「切り賃」。わかるかな?

「切り賃」のこと

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上の図は碁の終わり方でやった、終局時の図です。

白黒双方とも石を置かない点が2つずつ、計4点ある。これは、ルールにより石を置く事ができない点、いわゆる「二眼(飛島)」であり、「活き」の証明でもある。

さて、前回の「碁の計算方法」で得点から「切り賃」として2点マイナスするとしたが、これは本来数えない「二眼(飛島)」をマイナスしているのである。

《 石数+地+取った石=得点 》としたが、ここで数える地には「二眼(飛島)」の点も含まれているという事である。本来数えるべきではないこのマイナスする2点を「切り賃」という。ちなみに中国では「数塊子」という。

白黒双方に同じ2点ならマイナスしようがすまいが切り賃の意味がはっきりしないが、次の図を見てみよう。

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A図は、現代碁の終局図。B図は古典碁の終局図で、石を置ける箇所に全て置いた終局図である。

まず、B図古典碁の計算方法だと黒石38個と白石37個で、黒の1目勝ちであるが、A図の計算方法だと《石数+地》となるため、黒40、白41で白の1目勝ちである。

この違いは、A図ではB図の空点(二眼)も得点として計算されている。B図では終局時に、石の集団ごと2眼を確保(黒2点、白4点)しなければいけないが、A図はこれが考慮されていない。つまり、古典碁では得点にならない点(石数に数えない点)をA図では得点としているので、その結果を一致させるのが、いわゆる「切り賃(数塊子)」である。つまり、黒は1石だから切り賃2点、白は2つの集団に分かれているため4点である。

A図の得点からこの切り賃「黒2点、白4点」をマイナスすればB図の結果と一致する。

我々の知っている碁と古典碁の変わっているところは、お互いに活きている石でも切り離してしまえば、最終的に2点得するということである。

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例えば上の図だと、黒は1石で、白は3か所に分かれているので4点の負担がある。

繰り返すが、古典碁の「地の中にひとつひとつ石を打っていく作業」を省略し、地を数える方式にするため「切り賃」が必要だった。数えやすくするため盤上を操作する(整地のこと)から、石の塊の数を覚えておかないと、塊ごとに得点にならない2点が加えられてしまうのである。

これには、対局者の合意がいる。合意にこだわるのは、両者がこの数え方の意味を理解出来ているかどうかだからだ。すなわち、ひとつひとつ石を置くところを数えてしまえば、結果は同じで手間暇かからず省力化になる。三千年前も現代の人も考える事は同じなのである。

合意すれば、ダメを打った後の地を数えたり、取った石を足したり引いたり、また切り賃を考慮したりする作業は審判の役目だ。(もちろん審判がいなければ対局者がやるしかない)審判は、「整地」つまり作って数えやすくするとき、白黒双方がいくつの集合(塊)に分かれていたかを忘れてはならない。つまり、切り賃「集合(塊)×2」のことである。

そうそう、言い忘れたが、この簡易計算方法では、それまで相手に返していたり盤外に放っていた取った石を、覚えておくか、覚えておくのが面倒なら碁石入れの蓋にでも保管しておけばいいだろう。

 

いかがでしたでしょうか。切り賃のこと理解できましたか?

次回は、いろんな書物から考察した囲碁の歴史や「切り賃」が無くなっていく背景を宮国流に解釈しています。お楽しみに~♪

 

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