実戦で役立つ!囲碁力を飛躍的に伸ばす最新おすすめ書籍5選

囲碁の勉強といえば「定石を覚える」「手筋を習う」といった形が一般的です。しかし、ただ知識を増やすだけでは実戦の力にはつながりません。いざ対局になると、知っているはずの手筋を忘れてしまったり、形勢判断ができずに大きな悪手を打ってしまったりする経験は、多くの方にあるのではないでしょうか。
そこで今回は、最近出版された囲碁関連書籍の中から 「実戦力に直結する内容」 をテーマに、特に注目すべき5冊をご紹介します。いずれもアマチュアの棋力アップに役立つ良書ばかりで、初級者から中級者、さらには上級者にとっても学び直しに最適です。
1. 『実戦手筋の宝庫! 囲碁・サバキの手筋100』
サバキは「攻められた石をいかに軽やかに処理するか」というテーマです。囲碁を打っていると必ず出てくる局面ですが、多くの人が苦手としています。「守ろう」と思ってツナグと重くなり、相手に押し込まれる。「戦おう」と思って無理に動くと切られて崩壊する。この難しさを解決するのが、本書で紹介されるサバキの手筋です。
著者はサバキを大きく 「整形」 と 「捨て石」 に分け、それぞれの考え方と具体的な使い方を解説しています。
- 整形 … 自分の石の形をよくして自然に生きる技術。効率よく陣形をまとめることができる。
- 捨て石 … あえて数子を切り捨てて全体を軽くし、周囲の厚みを築く戦法。
実戦に即した100のテーマ図を通して「こういうときはどう打つか」が身につくため、読み物というより「問題集」に近い感覚で学べるのも魅力です。
特に中級者以上におすすめ。サバキを身につければ「攻められて怖い」という気持ちが減り、むしろ相手の攻めを逆利用できるようになります。
サバキの感覚を身につければ、攻められても怖くなくなり、むしろ相手の攻めを逆利用することができます。実戦で本当に役立つ一冊です。
👉 実戦手筋の宝庫! 囲碁・サバキの手筋100 (Kindle版) をAmazonで見る
2. 『囲碁 ほんとうに大事な7つの考え方』
多くのアマチュアが一定のレベルで成長が止まってしまうのは、「基礎的な考え方」が整理されていないからだと言われます。本書はその問題を真正面から取り上げ、「悪手を減らすための7つの原則」を提示しています。
たとえば目次には次のような項目が並びます。
- サカリをつくらない
- 二目の頭を叩かれない
- 無駄なアタリを打たない
- 目のない石を放置しない
どれも単純なルールに見えますが、実戦になると多くの人が守れずに失敗します。本書は、そうした典型的な悪手を具体例とともに示し、「なぜ悪いのか」「どうすればよいのか」を徹底的に解説しています。
著者は「囲碁はミスを減らすゲーム」と強調します。つまり「すごい一手を覚える」ことよりも「悪手を打たないこと」が棋力向上につながるのです。
ターゲットは初級〜中級者。布石や定石を覚えたけれど勝てない、という人にとっては目から鱗の内容です。学んだ瞬間からすぐに実戦で効果を発揮できるでしょう。
「悪手を減らすこと」が囲碁上達の一番の近道。本書はそのための7つの原則を、わかりやすく実戦例で解説しています。
👉 囲碁 ほんとうに大事な7つの考え方 (マイナビ囲碁BOOKS) をAmazonで見る
3. 『覆された常識! 新時代のツケ』
ツケは「石を接触させる一手」です。単純ですが、その後の展開は多彩で、互いの力がぶつかり合う戦いに直結します。従来は「不用意なツケは危険」と教えられることが多かったのですが、AI登場以降はその価値が大きく見直されました。
本書では、序盤・中盤それぞれの代表的なツケを取り上げ、その効果と狙いをわかりやすく解説します。
- 序盤のツケ … 相手の石に寄り添いながら自分の形を作る。布石段階から主導権を握る狙い。
- 中盤のツケ … 攻めと守りを兼ねた応用。相手の模様を荒らしたり、自分の石を軽くしたりできる。
「ツケを制する者は碁を制す」という言葉通り、一手で局面をひっくり返す力がある手筋です。本書の特徴は、ツケの新しい価値観をAIの視点も交えて紹介している点。
積極的に戦いたい人、攻め合いが好きな人にとっては、読むだけで碁が変わる一冊です。
AI時代に再評価された「ツケ」。攻防一体の威力を実戦で体感できる一冊です。
👉 覆された常識!新時代のツケ (マイナビ囲碁BOOKS) をAmazonで見る
4. 『現代囲碁で勝つための新AI定石』
2016年、AlphaGoが人類最強棋士に勝利したことで囲碁界は激震しました。その後も中国の「絶芸」、日本の「KataGo」などが登場し、定石や布石の常識は大きく変わりました。
本書は、そうしたAI流の新しい定石を整理し、「どうしてその手が成立するのか」を丁寧に解説しています。
たとえば、従来なら考えられなかった「序盤早々の三三侵入」や「大模様を無視する大場優先の考え方」など。これらはアマチュアにも浸透しつつありますが、背景の理屈を理解していなければ「ただの真似」に終わってしまいます。
本書では「AIの発想」を学ぶことに重点を置き、単なる定石集にとどまらず「AI的思考法」を伝えています。
AI流はもちろん万能ではなく、人間的な工夫と合わせてこそ力を発揮します。本書はその橋渡しとなり、現代囲碁を理解する上で必読の一冊となるでしょう。
AIによって常識が覆された囲碁定石。本書では「なぜその手が成立するのか」を丁寧に解説しています。
👉 現代囲碁で勝つための新AI定石 (マイナビ囲碁BOOKS) をAmazonで見る
5. 『三連星は終わらない』
三連星といえば、かつて武宮正樹九段が広めた「宇宙流」で有名です。星に三つ並べて大模様を築き、豪快に戦うスタイルは多くのファンを魅了しました。
しかし近年はAIの影響で「三連星は古い」「模様はリスクが高い」と言われがちです。本書はその風潮に反論し、「三連星はまだまだ現役であり、新たな進化を遂げている」と主張します。
著者の平田智也八段は、三連星を「実利型」「模様型」「AI型」などに分類し、それぞれの狙いと有効性を解説。AI研究を取り入れることで、むしろ現代だからこそ三連星が通用することを示しています。
「大模様を築いて圧倒したい」「自分らしい碁を打ちたい」という人に強くおすすめ。三連星を改めて学び直すことで、序盤から堂々と戦える自信がつくでしょう。
「古い布石」と言われがちな三連星。しかしAI時代に再評価され、新たな進化を遂げています。積極的に戦いたい方に最適な一冊です。
👉 三連星は終わらない (マイナビ囲碁BOOKS) をAmazonで見る
まとめ:5冊で学べる囲碁の「新しい地図」
今回ご紹介した5冊を通して見えてくるのは、「囲碁の進化と普遍性」です。
- 『サバキの手筋100』 → 攻めをいなす柔軟さを学ぶ
- 『7つの考え方』 → 悪手を減らす基本姿勢を身につける
- 『新時代のツケ』 → 攻防一体の武器をアップデートする
- 『新AI定石』 → 現代の主流となったAI流を理解する
- 『三連星は終わらない』 → 伝統的布石を現代流に再発見する
これらを順番に読めば、守備から攻撃、古典からAIまで幅広く網羅できるでしょう。単なる知識の寄せ集めではなく、思考法や発想の転換を学べる点が大きな魅力です。
囲碁は知識ゲームであると同時に、感覚と思考のゲームでもあります。今回の5冊は、その両面を鍛え直すための「最短ルート」とも言えるでしょう。ぜひ気になる一冊から手に取り、あなたの碁を新しいステージへと進めてください。
今回紹介したおすすめ囲碁本まとめ
1. サバキの力を身につける
2. 上達の基本を学び直す
👉 囲碁 ほんとうに大事な7つの考え方 (マイナビ囲碁BOOKS)
3. ツケの新常識を知る
👉 覆された常識! 新時代のツケ (マイナビ囲碁BOOKS)
4. AI時代の定石を理解する
👉 現代囲碁で勝つための新AI定石 (マイナビ囲碁BOOKS)

