三連星からはじめよう!初心者のための布石入門

囲碁の序盤、どこに打てばいいのか悩んだことはありませんか?
「とりあえず角に置いてみようかな…」という方も多いと思います。
今回は、そんな囲碁初心者の方にぴったりの布石「三連星(さんれんせい)」をご紹介します。
見た目も美しく、実践でもすぐに使えるおすすめの作戦です。
三連星とは?
三連星とは、碁盤の“星”と呼ばれる交点に石を3つ並べて打つ布石です。
右上・右辺中央・右下の星など、同じ辺に3つ並べる形が基本です。
この布石は、盤面の広い範囲に影響を与える“外勢”(厚み)を意識した構えで、地を囲うよりも、大きく展開する構想力を重視するスタイルとなります。
図の黒1,3,5が三連星の形です。

三連星がおすすめな理由
初心者にも三連星が向いている理由はいくつかあります。
- 形が分かりやすく、覚えやすい
→ 星に並べて打つだけなので、直感的に理解できます。 - 広く構えられて、主導権を握りやすい
→ 相手に受けさせる展開になりやすく、自分のペースで進めやすいです。 - 見た目が美しく、気分が高まる
→ 碁盤にきれいに並ぶ三連星は、囲碁を“打っている感”が強く、気持ちも乗ってきます。
個人的には、初級〜三段くらいまでは三連星一本でいいと考えています。
三連星は、構想力と攻めの力が問われる布石です。
序盤では「どう展開するか」という構想力が鍛えられ、中盤では「相手を攻めきる力」が養われます。
地にこだわらず、中央志向で大きく構える。
そして、相手が中に入ってきたら、しっかり攻めて捕らえるくらいの気持ちで打ちましょう。
もちろん最初のうちは、地が足りずに負けてしまうこともあると思います。
でも、それでOKです。攻め切る力がついてくると、勝てるようになっていきます。
三連星は、ただの布石ではなく、“戦う囲碁”への入り口です。
力をつけたい方には、ぜひ試してみてほしい打ち方です。
三連星の注意点
三連星はシンプルで使いやすい布石ですが、以下のような注意点もあります。
- 地(ポイント)をすぐには得られない
→ 外側の勢力を作る布石なので、地が少なめになることも。 - 中盤以降の戦いが本番
→ 攻める展開になりやすいため、ある程度の判断力も必要です。 - 相手が対策を知っていると不利になる場合も
→ とはいえ、相手の手に対して学べる機会が増えるという意味でも有益です。
三連星は、初心者でもすぐに取り入れられる上に、
囲碁の魅力である“スケールの大きな構想”を体験できる素晴らしい布石です。
かつて「宇宙流」と呼ばれる独自のスタイルで活躍した棋士・武宮正樹九段も、この布石を愛用し、多くのファンを魅了しました。
ぜひ一度、星に3つ石を並べてみてください。
あなたの囲碁が、そこからきっと大きく変わります。
三連星で勝ちきるには、相応の力が求められます。
中央に築いた厚みをどう活かすか、中盤でどのように攻めていくか――その力が試されます。
だからこそ三連星は、中盤の戦いを鍛えるのに最適な布石です。
構想力と攻めの力を養うためにも、ぜひ積極的に使ってみてください。
