沖縄に囲碁が根づく理由とは？〜海風と碁盤のある風景〜
夕暮れ時の那覇の碁会所。三線の音がかすかに聞こえる中、黙々と碁を打つ年配男性。となりでは、孫らしき小学生が「次はココだ！」と笑顔で石を置く――。
沖縄の囲碁風景、どこか温かい風が吹いている気がしませんか？
近年、「囲碁離れ」が全国的に進む中で、沖縄では独自の温もりある囲碁文化が根づいています。その背景には、地域コミュニティとの深いつながりや、世代を超えた交流の場としての碁会所の存在があります。
なぜ沖縄で囲碁が息づいているのか？
沖縄には、碁会所や囲碁教室が点在しています。たとえば那覇囲碁会館や浦添囲碁会館は、長年地域の人々に親しまれてきた場所です。観光ガイドには載っていませんが、地元のシニアや子どもたちが自然と集まる“町のたまり場”として機能しています。
沖縄出身・在住のプロ棋士も少なくありません。新垣武さんや知念かおりさん、時本壱さんなどが代表的で、若手の育成にも力を入れています。
囲碁がただの「遊び」や「競技」ではなく、「居場所」や「交流のツール」として生きている地域、それが沖縄なのです。
囲碁が育てる“沖縄らしさ”とは？
沖縄には「うとぅいむち（おもてなし・思いやり）」という文化があります。
囲碁には、相手を尊重し、盤面に向かう姿勢そのものが礼儀であり会話です。相手の手を読むことは、相手の気持ちを汲むことにもつながります。
また、沖縄独特のゆったりとした空気と囲碁の“間合い”は非常に相性が良く、自然体で楽しめるという声も多く聞かれます。
そして三線の音色や泡盛とのコラボ。実際に、泡盛を片手に碁を打つイベントも開催されており、“沖縄らしい囲碁”がここにあります。
初心者でも安心！沖縄の囲碁教室・碁会所ガイド
「囲碁って難しそう」と思っていませんか？沖縄の碁会所は、初心者ウェルカムな場所が多いのが特徴です。
子ども向けの教室では、5歳から始められる入門コースもあり、親子で通う姿もよく見られます。中には、観光客向けにワンコイン体験碁会を開催する施設も登場しています。
「まずは一局どうね？」と自然に声をかけてくれる雰囲気。初めてでも安心して一歩を踏み出せる、それが沖縄の囲碁文化の魅力です。
沖縄発・囲碁でつながる未来へ
現在、日本棋院も改革を進めており、地方と連携した新たな囲碁の広がりが期待されています。
沖縄ではすでに、地域交流イベントや教育現場での囲碁導入も始まりつつあります。「囲碁 × 教育」「囲碁 × 観光」「囲碁 × 地域福祉」といったコラボが、これからの鍵になるでしょう。
地元の力を活かして、囲碁を通じた“つながり”を未来へ広げていく――そんな可能性を沖縄から発信していきたいですね。
