沖縄出身の囲碁棋士＆アマ強豪たちを紹介！南の島から生まれた碁の力
沖縄出身のプロ棋士やアマ強豪、囲碁文化を支える人物たちをご紹介。琉球王朝時代から続く囲碁の歴史とともに、南国から生まれた碁の情熱を掘り下げます。
「沖縄＝囲碁」のイメージ、ありますか？
実は、琉球王朝時代から囲碁にまつわる記録が残され、現在でも県内には情熱あふれる棋士や指導者が活躍しています。今回は、沖縄ゆかりのプロ棋士・アマ強豪たち、そして囲碁を支える人々をご紹介します！
沖縄出身・在住のプロ棋士たち
沖縄には、誇るべき囲碁の才能を持ったプロ棋士がいます。
- 故・新垣 武 九段
- 新垣朱武 九段
- 知念 かおり 六段
- 時本 壱 九段
- 玉井 伸 五段
- 下地 玄昭 七段
- 梅木 英（うめき すぐる）九段 ※沖縄在住
現在は沖縄に拠点を置き、囲碁の普及活動にも力を注いでいます。子どもたちへの指導やイベント出演などを通じて、地域に囲碁を根づかせる活動を展開中です。
そして伝説のアマ強豪、下地 玄忠（しもじ・げんちゅう）先生。
「沖縄最強の碁打ち」として名を馳せ、その血を継ぐのがプロ棋士 大淵浩太郎 五段。まさに沖縄囲碁の系譜を象徴する存在です。
現在の沖縄アマ囲碁界を支える強豪たち
沖縄アマ囲碁界には、まさに“頭ひとつ抜けた”強さを持つ実力者たちが存在します。
- 渡嘉敷 亮（とかしき りょう）さん
沖縄アマ最強と名高い棋士。県内の主要大会を総なめにする圧倒的な実績を持つ。
持ち味は深く正確な“読み”と、地に厚く手堅い碁風。序盤から布石に抜かりなく、中盤戦では一手も隙を見せない冷静な打ち回しが特徴です。 - 國仲 尚（くになか ひさし）さん
渡嘉敷さんと並ぶトップクラスの実力者。バランス型のオールラウンダーで、どんな局面でも柔軟に対応する力を持つ。県代表として全国大会でも活躍しています。 - 石嶺知子さん（浦添囲碁会館・六段）
囲碁普及に情熱を注ぎ、子どもや初心者への指導にも熱心。女性囲碁界の牽引役としても存在感抜群！ - 東江隆美さん（那覇囲碁会館・六段）
沖縄県囲碁連盟の会長を務める、県囲碁界の“まとめ役”。大会には出場しないが、運営や普及活動に尽力しており、地域の囲碁文化の根を支えている。
琉球大学で囲碁講義を展開する岩橋教授
沖縄の高等教育機関でも囲碁の普及は進んでいます。
岩橋 培樹（いわはし・ろき）教授は、琉球大学で「囲碁の世界」という集中講義を開講。囲碁入門者向けの講座でありながら、日本棋院からプロ棋士を招いた本格的な内容で、グループ対局や技術指導、公式戦、ペーパーテストを通じて判断力・集中力を育成するというユニークな構成です。
2024年度も定員72名がすぐに埋まるほどの人気講義で、夏季集中（8月開催）として毎年継続中。大学教育に囲碁を取り入れる先進的な取り組みとして注目されています。
歴史の中の沖縄囲碁 〜琉球王朝と道策〜
沖縄の囲碁史は、なんと江戸時代にまでさかのぼります。
1682年（天和2年）、琉球国王・尚貞（しょうてい）は、本因坊四世・道策（どうさく）の評判を耳にし、琉球で最強の打ち手「親雲上浜比嘉（ペーチン はまひが）」を日本に送り、薩摩藩を通じて対局を願い出たという記録が残っています。
当時の囲碁界では、海外の打ち手とは「三子置き」で対局するのが慣例でした。
しかし道策は「日本の囲碁は昔より進歩しており、四子が妥当」とし、前例を破って四子局での対局を主張。その結果、浜比嘉と道策は異例の四子置き対局を行うことになります。
この勝負、ただの外交儀礼ではなく、本気の一局。
浜比嘉は「四子で負ければ琉球の恥」と気迫を燃やし、道策も「碁所の看板を背負って負けられない」と全力。
結果は、道策が十四目の大差で浜比嘉を下し、観戦者を驚愕させました。
道策はその対局で「無理のない打ち回し」「黒石の形を重くさせる手筋」「泣きの一手」とも称された白61の妙手など、高度な技術の数々を披露。この碁は「坐隠談叢（ざいんだんそう）」という古文書にも記録されており、後世まで語り継がれる伝説の対局となりました。
なお、敗れた浜比嘉もただ者ではなく、対局後に道策に師事し、三段の免状を授かります。帰国後は道策流の碁を琉球に広めたとされ、沖縄の囲碁文化の礎を築いた人物ともいえるでしょう。
おわりに
南の島・沖縄からも、囲碁を愛し、未来を切り開いてきた棋士たちが確かに存在しています。
その伝統は今も受け継がれ、新しい才能が育ち、囲碁を愛するコミュニティが広がりつつあります。
あなたの近くにも、未来の名棋士がいるかもしれません！
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