囲碁コラム

AlphaGo(アルファ碁)とは?イ・セドル戦から囲碁AI革命までわかりやすく解説

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AlphaGo(アルファ碁)は、Google傘下のDeepMind(ディープマインド)が開発した囲碁AIです。

2016年3月、世界トップ棋士のイ・セドル九段に4勝1敗で勝ち、「コンピューターが人間に勝つには、あと10年はかかる」といわれていた囲碁で、歴史をひっくり返しました。

AlphaGoのポイント

  • 開発:DeepMind(イギリス・ロンドン/2014年にGoogleが買収)
  • 何がすごい?:人間の棋譜と自己対戦から学ぶ「深層学習」で、人間のトップに勝った
  • 有名な対局:2016年3月、イ・セドル九段との五番勝負(AlphaGoの4勝1敗)
  • その後:2017年に世界ランク1位の柯潔(カ・ケツ)九段にも3連勝し、人間との対局から引退
  • 今の囲碁への影響:プロもアマもAIで研究するのが当たり前になった

この記事は、当時リアルタイムで観戦していた筆者の観戦記(2016年3月)に、AlphaGoの全体像を追記してまとめ直したものです。

もくじ

  1. AlphaGo(アルファ碁)とは
  2. 開発したGoogle DeepMindとは
  3. イ・セドル九段との五番勝負と結果
  4. 「神の一手」など有名な局面
  5. 囲碁界に与えた衝撃
  6. AlphaGo以降の囲碁AI
  7. 現在の囲碁への影響
  8. 【観戦記】2016年3月、第一局・第二局をリアルタイムで見た感想

AlphaGo(アルファ碁)とは

AlphaGoは、囲碁を打つために作られた人工知能(AI)です。

囲碁は打てる場所がとても多く、チェスや将棋よりもコンピューターが苦手なゲームでした。AlphaGoは次のような仕組みで、この壁を越えました。

  • 人間の棋譜から学ぶ:たくさんの高段者の対局から「よく打たれる手」を学習
  • 自分同士で対局して強くなる:AI同士で大量に打ち、勝ちやすい手を覚える
  • 先を読む:有望な手にしぼって、勝率が高い手を探す

2015年10月にはヨーロッパ王者の樊麾(ファン・フイ)二段に5戦全勝。「プロにハンデなしで勝った初めての囲碁AI」として話題になり、翌年のイ・セドル戦につながりました。

開発したGoogle DeepMindとは

DeepMindは2010年にロンドンで生まれたAI研究の会社で、2014年にGoogleが買収しました。現在はGoogleのAI研究部門と合わさり「Google DeepMind」という名前になっています。

AlphaGoのあとも、囲碁・チェス・将棋を独学で覚える「AlphaZero」や、タンパク質の形を予測する「AlphaFold」など、さまざまなAIを発表しています。

イ・セドル九段との五番勝負と結果

2016年3月9日〜15日、韓国・ソウルで「Google DeepMind Challenge Match」が行われました。相手のイ・セドル九段は、長年世界のトップで戦ってきた韓国の棋士です。

対局前の予想は「イ・セドル九段の勝ち」が大半でした。結果は……

局日付結果
第1局3月9日AlphaGo 勝ち
第2局3月10日AlphaGo 勝ち
第3局3月12日AlphaGo 勝ち
第4局3月13日イ・セドル九段 勝ち
第5局3月15日AlphaGo 勝ち

AlphaGoの4勝1敗。AlphaGoには韓国棋院から名誉九段が贈られました。

全五局の棋譜は【アルファ碁vsイ・セドル九段】全五局の棋譜と感想にまとめています。

「神の一手」など有名な局面

第2局 黒37手目:人間には打てない一手

AlphaGoが5線に打った「肩ツキ」。解説のプロ棋士たちも最初は「ミスでは?」と首をかしげましたが、のちに好手と評価されました。“人間の常識の外にある手”の代表として、今も語られる一手です。

第4局 白78手目:イ・セドル九段の「神の一手」

3連敗して迎えた第4局。黒の厚い構えの中に打ったワリコミで、AlphaGoの読みが崩れ、イ・セドル九段が人間として唯一の白星をあげました。この手は日本でも「神の一手」と呼ばれています。

筆者はこの瞬間をモニターの前で見て、本気で泣きました。その日の興奮はAlphaGoにイ・セドル九段が四戦目にして勝利!に残しています。

囲碁界に与えた衝撃

  • 「AIが人間に勝つのは10年先」が、一気にくつがえった
  • 中継の解説やSNSで、AlphaGoが「アルファ先生」と呼ばれるように
  • 囲碁を知らない人にもニュースが広がり、囲碁が世界的に注目された

2016年末〜2017年1月には、「Master」という名前でネット碁に登場し、トップ棋士相手に60連勝。2017年5月には世界ランク1位の柯潔九段にも3連勝し、AlphaGoは人間との対局から引退しました。

イ・セドル九段は2019年に引退。AIについて「倒すことのできない存在」と語っています。

AlphaGo以降の囲碁AI

AI特徴
AlphaGo Zero(2017年)人間の棋譜を使わず自己対戦だけで学習。イ・セドル戦のAlphaGoに100戦100勝
AlphaZero(2017年)同じ仕組みで囲碁・チェス・将棋を独学
Leela Zero/KataGo など誰でも無料で使えるオープンソースの囲碁AI。今のAI研究の主役
絶芸(Fine Art)など中国企業の強力な囲碁AI。プロの研究や中継で使われる

今では、スマホのアプリでもプロより強いAIと打ったり、対局を検討したりできます。

現在の囲碁への影響

  • 序盤の常識が変わった:早い三々入り、肩ツキなど、昔は「よくない」とされた手が見直された
  • プロの勉強法が変わった:AIで研究するのが当たり前に
  • 中継が見やすくなった:AIの「勝率」表示で、初心者でも形勢がわかる
  • アマチュアの上達にも:自分の対局をAIで振り返って、悪手を見つけられる

AIを上達に使う方法は、囲碁AIの衝撃!初心者にもプロにも効く“最強の先生”やネット対局 × AI活用で1級アップ!で紹介しています。AIの打ち方と昔ながらの打ち方の違いはAI流とおじさん流の仁義なき戦いもどうぞ。

イ・セドル戦をもっとくわしく(当時の記事)

囲碁と将棋の違いや、なぜ囲碁はAIにとって難しかったのかは囲碁と将棋の違い7つでも紹介しています。

【観戦記】2016年3月、第一局・第二局をリアルタイムで見た感想

ここからは、2016年3月の対局直後に書いた観戦記です(当時の文章のまま残しています)。

さて、google参加のDeepMindが開発した人工知能AlphaGo(アルファ碁)が、囲碁のプロ棋士イ・セドル九段と対局し見事2連勝を飾った。

「コンピューターが囲碁に勝つには数十年かかる」と言われていた時から数えてまだ数年しかたっていないような気もするが、この進化の速さは世界一の企業Googleならではなのか?

歴史が動いた瞬間を見れたことに感謝するとともに、その日の感想を残しておく。

AlphaGo(アルファ碁)vsイ・セドル九段 第一局

対局前の予想は、「イ・セドル九段の勝ち」が大半を占めていたように思える。毎日パソコンを16時間以上弄っているGoogle大好きっ子な僕もセドル九段が勝つと予想した。

理由は、「人間がコンピューターになんか負けんじゃねー!」という同族意識。(実は、負けるかもなぁと悲観していたのは内緒です。)

で、当日。

昼飯を12:00前に食べ終わり、仕事をせっせと片づけて対局が始まる30分前にはモニターが3台つながったPCの前で、YouTube2画面、英語のやつ(意味わからんけど)と日本語のやつ、日本棋院の幽玄の間&MultiGoを立ち上げてスタンバイOK!

小学生の時の遠足前夜よりは劣るが、結構興奮気味で運命の瞬間が始まるのを楽しみに待っていた。

ジャジャーン♪という大音量と共にその瞬間は訪れた。急いでボリュームを調整して高鳴った胸を抑えるために深呼吸。なんで公式のユーチューブにお笑い芸人のぱっくんが解説に立っているのかと思ったら、マイケルレドモンド九段。全部英語で何言ってるか分からないので翻訳アプリを急いでDL。はじめて使う翻訳アプリに期待と不安が入り混じった妙な気分になりながら使ってみるが、全然役に立たないウ○コアプリだったので仕方なく盤面解説のないニコ生へ。そのときすでに10手目が打たれていた。

コントを繰り広げているニコ生を最少ボリュームにして囲碁に集中、盤面は幽玄の間とユーチューブでチェック。ツイッターで囲碁の上手な方々のつぶやきをリアルタイムで拾いながら、MultiGoに手順を打ち込む慌ただしさ。大方の予想を覆し、期待を裏切ったAlphaGo(アルファ碁)だが、30数年生きてきて「俺ってこんなに器用だったんだ!」という新たな発見を与えてくれたある意味、囲碁の世界観より僕の世界観を変えてくれたAlphaGo(アルファ碁)に感謝感激。

そんなこんなで前置きが長くなりましたが、第一局めの棋譜です。

 

黒番:イ・セドル九段 白番:AlphaGo(アルファ碁)


黒23のツケに対して、白24から28とぶった切る手は強烈な印象。こんな手ばっかり考えているから強くなれないだと怒られたのは遠い昔の事。今でも変わらず打っています。m(_ _;)m ごめんなさい。。。

黒43の後に白44と助けたのも意味わからん。中央2子(23.27)取って勝ちました。でしょ。(※1あくまでも個人の感覚です)

白78の時点で、某プロは黒優勢と判断。「マジかっ!」と思ったのは僕だけではないはず。黒79に白80も理解できん。強い人は分かるはずだが…

中にポッコリ黒地がついて黒いいのかな?とちょっと期待。白102からの変化は相場らしい。で、一番腑に落ちないのが右下の黒123からの変化。黒が損しているように見える。白136の時点で白が良さそう。な気がする。(※1あくまで個人の感覚です。)

セドル九段が投了する時にちょっと手が震えてるように見えたのが印象的で、「世界が動いた!」と勝手に感じた瞬間でした。

AlphaGo(アルファ碁)vsイ・セドル九段 第二局

一局目でセドル九段に勝った時からAiの力は遠く人間の及ばない所へ行ってしまったのだから、五局もやる必要はないのでは?と勝手に解釈しているのだが、やっぱり気になる第二局。

前日新たに発見した器用さを武器に、今日は仕事をしながら観戦する事にした。余っているモニターを引っ張り出して5台のモニターで仕事&観戦だ。20数時間前にAlphaGo(アルファ碁)が発見させてくれた器用さは、中学生の時に夢見たAudrey Hepburnとの結婚と同じくらいの儚い幻だったらしく、仕事しながら囲碁を観戦することは残念ながら(やっぱり)無理だった。仕事をしていると高尾先生の言葉が何一つ入ってこないし、囲碁を見ているとコードなんて打てるはずもない。やはり30数年の黒い歴史は、いくらAlphaGo(アルファ碁)でも簡単に覆すことは出来なかった。と、「セドルは負けたけどオレは勝ったぜ」的な何かを感じながら第二局の棋譜です。

 

黒番:AlphaGo(アルファ碁) 白番:イ・セドル九段


この局は腑に落ちない点が多い一局。

まず序盤の黒13。下辺を手抜きしたんだからそこに先着するべきではないだろうか?(※1あくまでも個人の感想です)黒29となった時点で白が満足と某プロ棋士の意見。(わかんね。)

黒37は「カッコイイ!」と思った一手。僕が打ったら100%「悪手」と批判されそうw白42では取った方が厚い様な気がするけど甘いのかな?

白70が全然理解できない。左辺の黒石を攻めるべきじゃないですかね?(※1あくまでも個人の感想です)下辺122から121の黒をかみ取ったのも意味不明?そこ大きいの?どこがいいかは分からないけど、そこには向かう気がしない。個人的には黒127のトコに伸びた方が大きそうな気が。(※1あくまでも個人の感想です)

黒129のコスミに白130もイミフ。左辺黒3に突き当りから13-Fにコスんで黒を切っちゃうぞぉ~と脅すのはダメなの?っと?がいっぱいの二局目でした。

Aiの進化に喜びを感じているが、人がコンピューターに負けた悲しさも。いろんな意味でGoogleとAlphaGo(アルファ碁)、イ・セドル九段に感謝です。

ちなみにGoogleは囲碁ソフトを事業化するのかな?誰か教えて。

※1、地区代表にもなれないへっぽこ碁打ちの戯言です。

 

 

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