【囲碁】級から初段を目指す人へ

囲碁おじさんの「考え方の話」
こんにちわ。囲碁おじさんです。
今日は、囲碁で初段を目指す級位者の方向けに、囲碁が少し楽になる考え方について書いてみます。
おじさんは、大人になってから囲碁を覚えました。
子どもの頃から囲碁をやっている人たちに比べると、正直、ヨミも詰碁も強くありません。
それでも今は、野狐囲碁で六段あたりをウロウロしています。
これは才能だとは思っていません。
考え方の置きどころが少し違うだけだと思っています。
詰碁が苦手でも、
ヨミが鋭くなくても、
囲碁はちゃんと強くなれます。
地は「先に取りに行くもの」じゃない
地を囲いすぎない。
級位者、特に10級前後のころは、
「地を囲えば安心」と思いがちです。
- ここ囲えば安心
- ここ守らないと減る
そう思う場面がたくさんあると思います。
でも、地は囲おうとすればするほど、手数がかかって、効率が悪くなります。
特に級位者のうちは、
- 囲ったつもりが薄い
- 守ったけど小さい
- 気づいたら相手が楽になっている
こういうことがよく起きます。
地は、結果です。
先に取りに行くものではありません。
攻めるとは「取ること」ではない
じゃあ、どうするか。
「攻めます。」
ここで勘違いしてほしくないのは、攻める=殺す、取る、ではないということです。
おじさんの言う攻めは、
- 相手の石を重くする
- 相手に楽をさせない
- 形を悪くする
これだけです。
石が取れたらラッキー。
取れなくても、だいたいこちらが得しています。
厚みは「あとで楽をするための形」
おじさんは、厚みをとても大事にしています。
厚みは地にならないから嫌、という人も多いですが、おじさんにとって厚みは、
- ミスしても死なない
- ヨミが浅くても事故らない
あとで楽をするための形です。
正直に言うと、おじさんはヨミが強くありません。
だから、厚く打っておきたいんです。
厚みがあれば、
多少雑に打っても、
多少読み違えても、
簡単には崩れません。
大模様は「入らせてから始まる」
大きく構えると、
「入られたら終わり」
と思う人が多いですが、逆です。
- 入らせない模様は小さい
- 入ってきてくれる模様は大きい
大模様は完成させるものではありません。
事件を起こす場所です。
「来たな」
「よし、仕事だな」
それくらいでちょうどいい。
少し得を積み重ねる囲碁
級位者で多いのが、
一手で形勢をひっくり返そうとすることです。
切りたい。
取りたい。
一気に逆転したい。
でも、強い人ほどそんなことは考えていません。
- 少し得
- また少し得
- 気づいたら勝っている
派手な手より、
「なんか得した気がする手」
を積み重ねます。
少し得をするための、最低限の道具
ここで、ひとつだけお願いがあります。
基本的な手筋は、使えるようになってほしい。
難しい手筋や、プロの妙手はいりません。
級位者のかたに必要なのは、盤上で何度も出てくる“定番”だけです。
最低限、次の手筋は名前と形が結びつく状態になってほしいです。
- シチョウ
- ゲタ
- ウッテガエシ
- オイオトシ
- 鶴の巣ごもり
- ぐるぐる回し
- 石塔絞り
- イタチの腹付け
全部を完璧に使いこなす必要はありません。
でも、
- 「あ、これシチョウっぽいな」
- 「これ、ゲタになるかも?」
そう思えるだけで、無理な攻めや、変な助け方が減ります。
手筋は、取るためじゃなく「損をしないため」
ここが一番大事です。
手筋は、石を取るための必殺技ではありません。
- 無理をしない
- 石を助けすぎない
- 捨てるべき石を見極める
そのための判断材料です。
手筋を少し知っているだけで、
この石は、
ここまで働いたから、もう十分かな。
そう思えるようになります。
手筋をまとめて見るならここで
手筋を一から探すのが大変な人は、このページを眺めるだけでOKです。
👉 基本手筋まとめ
https://igo-rairai.com/kihontesuji/
暗記しなくていいです。
たまに見返すだけで、対局中に「あっ」と思い出せるようになります。
石は守るものじゃない
強くなるために、もうひとつ大事な考え方があります。
石は、捨てていい。
石は生き物ではありません。
盤上に置いた瞬間から、道具です。
- 利かしに使う
- 相手を重くする
- 先手を取る
仕事が終わったら、役目終了。
その石が死んでも、盤面全体が良くなれば、それでいい。
捨て石は、逃げでも諦めでもありません。
戦場を移すための手段です。
要石かどうかを考えてみる
石を助けるか、捨てるか迷ったときは、
まず要石かどうかを考えてみてください。
要石というのは、その石が取られると、まわりまで一気に苦しくなる石のことです。
逆に言うと、取られても盤面があまり変わらない石は、無理に助ける必要はありません。
迷ったら、次の3つだけ考えます。
- この石を助けると、他が苦しくならないか
- この石が死んだあと、どこが大きくなるか
- この石は、要石かどうか
これだけで、
「助けすぎて負ける囲碁」から
かなり抜け出せます。
ぱっと見の形成判断をしてみる
対局中、たまに盤面を全体で眺めてみてください。
正確じゃなくて構いません。
今、なんとなくどっちが良さそうかな?
この感覚で十分です。
そして、その感覚を次の一手に使います。
- 形勢が悪そうだと思ったら、
→ 影響の大きい、強い手を選ぶ - 悪くなさそうだと思ったら、
→ 無理をせず、ゆっくりした手を選ぶ
勝っているときに無理をしない。
負けているときに小さく打たない。
それだけで、勝率は変わります。
形成判断は、感覚を育てるもの
ネット碁を打っているなら、形成判断ボタンも使ってみてください。
当たっているかどうかは重要ではありません。
- 自分はどう感じたか
- AIはどう見ているか
そのズレを見ることで、感覚が少しずつ整ってきます。
形勢判断は、正確さより回数です。
形はヨミの代わりになる
おじさんはヨミが強くありません。
だからこそ、形を大事にしています。
形が良ければ、
・多少読み違えても大丈夫
・多少手順がズレても崩れにくい
形は、ヨミが浅い人のための保険です。
形の基本は「やってはいけない形」を知ること
形を良くしよう、と言われると難しく感じますが、
級位者のうちは、まず
「これは避けたい形」を覚えるだけで十分です。
おじさんが特に気にしているのは、次のような形です。
空き三角は、できるだけ作らない
空き三角は石のつながりが悪く、働きも弱くなりやすい形です。
もちろん、やむを得ず空き三角になる場面もありますが、
・得をしているか
・他に形の良い手がないか
一度立ち止まって考えたい形です。
二目の頭は、打たれたら痛い
「二目の頭は見ずハネよ」とよく言われますが、これは形の急所だからです。
二目の頭を打たれると、
・石が弱くなる
・形が一気に悪くなる
攻める側も、守る側も、二目の頭は常に意識しておきたいポイントです。
三目の真ん中は、だいたい急所
三目が並んだ形では、その真ん中が急所になることが多いです。
三目の真ん中を打たれると、
・目形が壊れる
・形が薄くなる
逆に言えば、
相手の三目を見たら、
「真ん中ないかな?」
と考える癖をつけると、攻めが楽になります。
千両曲がりは、形が急変する場所
千両曲がりは、その名の通り、打たれると形勢が大きく動くことがあります。
攻める側は、
・ここを打てば形がいい
守る側は、
・ここを打たれたら困るな
と、一度は目に入れておきたいポイントです。
形を知ると、判断が早くなる
これらの形を少し知っているだけで、
・この形は危ない
・この形は悪くなりそう
・ここを放置するとまずい
という判断が、ヨミをしなくてもできるようになります。
形は、ヨミの代わりになる判断材料です。
形を意識すると、囲碁は楽になる
形を大事にすると、
・無理な手を打たなくなる
・石を助けすぎなくなる
・捨て石の判断が楽になる
囲碁が、少しずつ「苦しくないゲーム」になります。
級位者から初段に近づくというのは、難しい手を覚えることではなく、形で安心できるようになることなのかもしれません。
悪い形を作ってしまう思考
悪い形は、形の知識がないから作ってしまう。
というよりも、考え方のクセから生まれることが多いです。
おじさんが見ていて、級位者のかたが悪い形を作ってしまうとき、だいたい次のどれかを考えています。
「取れそう」に引っ張られる
一番多いのがこれです。
・切れそう
・取れそう
・何か得しそう
そう思った瞬間、形よりも先に手が出てしまう。
結果、
・空き三角
・二目の頭を叩かれる
・自分の石が重くなる
取れなかったときのことを考えると、だいたい形が悪くなっています。
「助けなきゃ」と思いすぎる
石が攻められると、とにかく助けたくなります。
でも、
・助けた結果、形が崩れる
・周りまで一緒に苦しくなる
こういう場面はとても多い。
助ける前に、
「この石は要石か?」
を一度考えたいところです。
要石でなければ、無理に助けないほうが全体の形は良くなります。
「先に囲えば安心」という発想
形が崩れる原因として、意外と多いのがこれです。
・とりあえず囲う
・とりあえず守る
安心したつもりが、薄くて働かない形になる。
形が悪いと、あとから攻めも守りも全部苦しくなります。
「その場だけを見ている」
盤面の一部だけを見ていると、形は崩れやすくなります。
・この石がどうなるか
・この一手でどうなるか
だけを考えてしまう。
一度、盤面全体を見て、
・この形、あとで楽かな?
・他の場所、苦しくならないかな?
と考えるだけで、悪い形はかなり減ります。
「ヨミで何とかしようとする」
形が悪いときほど、ヨミで何とかしようとしてしまいます。
でも、
・形が悪い状態でのヨミ
・綱渡りの読み
これは成功率が低い。
おじさんはヨミが強くありません。
だからこそ、
ヨミより先に形を良くする
これを大事にしています。
形が悪くなりそうなときの合言葉
悪い形を作りそうになったら、
この一言を思い出してほしいです。
その一手、
形はよくなってる?
この問いを挟むだけで、
・空き三角を作らない
・急所を空けない
・無理な追いかけをしない
そういう囲碁に近づきます。
悪い形を避けるだけで、勝ちやすくなる
良い形をたくさん覚えなくても大丈夫です。
まずは、
・空き三角を避ける
・二目の頭を意識する
・三目の真ん中を見る
・千両曲がりを頭に入れる
これだけで、囲碁はかなり楽になります。
悪い形を作らなくなること。これ大事です。
初段はゴールじゃない
初段になると、急に強くなるわけではありません。
でも、
- 盤が少し狭く見える
- 石が軽く見える
- 囲碁が怖くなくなる
そんな変化が起きます。
初段はゴールじゃありません。
囲碁が楽になる入口です。
もし今、
- 地を取りに行って苦しくなっている
- 石を助けすぎて盤面が重くなっている
そんな感覚があるなら、一度、厚く構えて、攻めて、石を捨てる囲碁を試してみてください。
詰碁が苦手でも、
ヨミが強くなくても、
ちゃんと、そこに辿り着けます。
級位者のみなさんへ
ここまで読んでくれて、ありがとうございます。
もし今、
・なかなか級が上がらない
・勝ったり負けたりで自信が持てない
・強くなっている実感がない
そんな気持ちがあったとしても、それは全然おかしいことではありません。
おじさんも、同じところで何度も立ち止まりました。
詰碁が得意じゃなくても、
ヨミが鋭くなくても、
囲碁はちゃんと強くなれます。
大事なのは、一気に強くなろうとしないこと。
・地を取りに行きすぎない
・形を崩さない
・少し得を積み重ねる
そんな囲碁を続けていると、
ある日ふと、
「あれ? 今日はあまり苦しくないな」
と思う瞬間が来ます。
それが、初段に近づいている合図です。
初段は、特別な人だけの場所ではありません。
考え方を少し整えて、囲碁との付き合い方が変わった人から、
順番に辿り着いていく場所です。
焦らなくて大丈夫です。
回り道でも大丈夫です。
今日の一局が、昨日より少し楽だったなら、
それはもう前に進んでいます。
これからも、自分の囲碁を信じて、一局一局、楽しんでいきましょう。
応援しています。
盤の向こうで、また会いましょう。

