囲碁には、日本ルールと中国ルールがあります。
ほぼ同じような内容なので「囲碁」を楽しむうえではどのルールを適用しようが全くと言っていいほど問題ありません。
その中で大きく違うのは「数え方」でしょうか。
簡単に説明すると、日本式は囲った地の数から取られた石の数を引いた地の数を競います。一方、中国式は石数プラス囲った地の多さを競います。
コレを中々理解できない人が多いらしく結構な数の質問を頂きました。いちばん多かったのが勝敗についての質問。
なぜ、この計算方法で勝敗が変わらないのか?と疑問の様です。(厳密にいえばちょっと変わる)
そこで今回は数え方のお勉強をしてみましょう。棋力にはさほど関係ないですが、目算で役に立つかもよ。(私は目算できませんが(´;ω;`)ウッ)
囲碁の数え方
囲碁の数え方は、大きく分けて3つあります。現代では2つですが。。。
基本となるのは古碁の計算方式。この数え方だと盤面が大きくなればなるほど煩雑になってくるため、文明の発達とともに高度(?)な計算式を使うようになったと推測されます。
古碁の数え方
古碁では盤上の石数が勝敗のポイントです。黒石が11個、白石が10個で黒の1目勝ち。
分かりやすいですね。
んで、数える石は「活きている」ことが条件。とすると、盤上には4つの空点ができます。(←2眼。)
これは9路盤の碁。
黒石39と白石34で黒の5目勝ち。
この場合、石が2つに分かれているので空点が8つあります。それぞれの石ごとに2つの眼が必要になるので当然ですね。
これが白石だけつながっているとしたら、白は2点増える計算になります。これは「切り賃」と言われるものですが現代の碁にはありません。
この切り賃を省略して計算しているのが、現代囲碁の計算方法です。
昔は切り賃も計算していたようですが、煩雑になったためいつの日か無くなっていったのでしょう。
コレをふまえて中国式を見てみましょう。
中国式の数え方
中国式の数え方は『活きている石数+地の数』です。
この数が盤上に置ける石数(碁盤の目数)より多いか少ないかで勝敗を決めます。
上の図は古碁で紹介した9路盤の現代の終わり方。
中国式だと、黒石26個+黒地17で黒43得点となります。
9路盤は全部で81目あるので、81-43=38となり、黒43-白38で黒の5目勝ちとして計算されます。
これが半数計算。盤面の総数から一方だけを数えることで簡略化しています。
単純に石数を数えるより、碁が進化しているように感じませんか?
※厳密にいうと中国式はもうちょっと複雑です。が、これはわざと難しくしてるだろ!ってツッコみたくなるので省略w
日本式の数え方
次は日本式の数え方。
実は、昔の中国でもこの方式で計算されていたようです。
分かりやすいように同じ盤面を使います。また、日本式の場合アゲハマ(取った石)も計算に使うので棋譜を貼っておきます。
皆さんご存知のように、日本式は『地+アゲハマの数』で計算します。
黒は、地が17目+アゲハマ2目で19目。
白は、地が11目+アゲハマ3目で14目。
黒19-白14で黒の5目勝ちです。
古碁、中国式、日本式ともに黒の5目勝ちとなります。不思議ですねw
まとめ
古碁を並べていくと、碁は元々石数を競うゲームだったと考えられます。
盤面が大きくなっていけばいくほど石を数えるのが面倒になり、どーにかして簡単に出来ないかと考えてできたのが今の計算方法です。
19路盤でダメも陣地も全てに石を置いて石数を数えるのは、考えただけでもスーパーめんどくさいですよねw
中国式も日本式も「石を置く」のと「石数を数える」のを足し算と引き算を使って簡素化しています。両方とも勝敗に大きな違いは出ないですが、ちょっと変わってくる場合もある。
実は古い中国の棋譜には、今の日本式で計算されている碁があります。しかし、どーゆーわけか現代の中国方式は日本式と違いちょっと煩雑気味。
これは、中国側が日本式に対抗してわざと今の方式(中国の方が優れているアピール)を取っているのではないか?というのが某氏の言いぶんですw
中国のプロも目算は日本式でやっているというし、国際統一ルールで日本式の計算方法に合わせちゃえばいいのにね。日本が囲碁全盛期の時にもっと世界に向けてPRしていたら、国際ルール作れたんじゃねーの?って勝手な意見を書いて終わりにします。
おまけ
プレゼントした碁盤が有効活用されている。オジサンは嬉しいぞ(TωT)ウルウル
「中国式の数え方」の図は▲に継ぐとF7に差し込まれて死にますね