囲碁の最後に数えるのは、「地(じ)」と「アゲハマ」です。
自分の石で囲んだ空き地(地)の広さを比べて、多い方が勝ち。これが囲碁の勝ち負けのすべてです。
30秒でわかる囲碁の数え方(日本ルール)
- 数えるもの:自分の地 + アゲハマ(取った石)
- 1目(いちもく):地1つ分、またはアゲハマ1個分の点数
- 終局:お互いに打つ所がなくなり、2人とも「終わり」と認めたとき
- 整地:数えやすいように地の形を整えること
- 勝敗:白にはコミ(ふつう6目半)を足して、多い方の勝ち
この記事では、「何を数えるのか」から「整地のやり方」「勝敗の計算」「日本ルールと中国ルールの違い」まで、9路盤の実例を使って順番に説明します。
もくじ
囲碁では何を数えるの?
囲碁は「陣取りゲーム」です。最後に数えるのは次の2つだけ。
| 数えるもの | 中身 |
|---|---|
| 地(じ) | 自分の石で囲んだ、空いている交点の数 |
| アゲハマ | 対局中に取った相手の石+終局後に取り除いた死に石 |
盤の上にある自分の石そのものは、日本ルールでは数えません。「囲った空き地」と「取った石」だけを数える、と覚えておけばOKです。
「1目」とは?地とアゲハマの意味
1目(いちもく)=囲碁の点数の単位
囲碁では点数を「目(もく)」で数えます。
- 地の交点1つ = 1目
- アゲハマ1個 = 1目
「黒の5目勝ち」は、黒が5点多かったという意味です。
地(じ)とは
自分の石だけで囲まれていて、相手が入ってきても生きられない空間のことです。囲い方のコツは「囲い方の要領」や「アタリと地」で解説しています。
アゲハマとは
取った相手の石のことです。日本ルールでは、整地のときにアゲハマを相手の地に埋めて、相手の地を減らします。だから1個取るごとに1目得をするわけです。
ほかの用語は囲碁用語辞典でまとめて確認できます。
終局はいつ?
お互いに「もう打っても得をする場所がない」状態になったら終局です。
- 地の境界がすべて決まる
- どちらの地にもならない場所(ダメ)を埋める
- 2人とも続けてパスし、「終わりですね」と確認する
- 取れる石(死に石)をお互いに確認して取り除く
初心者のうちは「どこで終わればいいかわからない」のが普通です。終局の見分け方は「独自で終局が分かる」整地とか(15級)、ダメについては「価値のある手とダメの違い」も参考にしてください。
整地のやり方
整地(せいち)とは、地を数えやすい形に並べ直す作業です。
- 死に石を取り除く:相手の地の中にある死んだ石をアゲハマに加える
- アゲハマを埋める:自分のアゲハマを相手の地の中に置く
- 形を整える:10目・20目と数えやすいよう、地を四角く並べ替える
- 数える:それぞれの地を数えて比べる
整地では、石を動かしても地の広さが変わらないように気をつけましょう。
勝敗の計算(5路盤の実例)
実際の5路盤で計算してみます。対局の流れは下の棋譜で再生できます。
日本ルールの計算は「地+アゲハマ」です。
| 地 | アゲハマ | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 黒 | 6目 | 0目 | 6目 |
| 白 | 5目 | 0目 | 5目 |
黒6目 − 白5目 = 黒の1目勝ちです。
コミを入れるとどうなる?
囲碁は先に打てる黒が有利なので、白にコミというハンデが加えられます。日本のルールでは19路盤でふつう6目半です。
半目(0.5目)があるので引き分けになりません。上の例で白に6目半が入っていたら、白5目+6目半=11目半で、白の5目半勝ちになります。
※9路盤などの練習対局では、コミの数をお互いに決めて打つことも多いです。
終局前におおよその差を数える「目算」
対局中に「いま何目くらい勝っているか」を数えることを目算(もくさん)といいます。目算ができると、勝っているときは安全に、負けているときは勝負に、と作戦を立てられます。詳しくは「形勢判断について(6級)」で紹介しています。
日本ルールと中国ルールの違い
囲碁には日本ルールと中国ルールがあり、いちばん違うのが数え方です。
| 日本ルール | 中国ルール | |
|---|---|---|
| 数えるもの | 地+アゲハマ | 盤上の生きている石+地 |
| アゲハマ | 使う(相手の地に埋める) | 使わない |
| ダメ | 点数にならない | 石を置けば1点になる |
| コミ(19路) | 6目半 | 7目半 |
| 主に使う場所 | 日本・韓国 | 中国・ネット碁の一部 |
中国ルールの計算(同じ5路盤の場合)
中国式は「生きている石の数+地の数」です。上の局面だと、黒石7個+黒地6で黒13。
5路盤は全部で25点なので、白は25−13=12。黒13−白12で、やっぱり黒の1目勝ちになります。
盤全体から片方だけを数えれば済むので、これを「半数計算」と呼びます。
結果はほとんど変わらない
日本式と中国式は「石を置く」と「石を数える」を足し算・引き算で簡単にしているだけなので、勝ち負けはほぼ同じになります。ただ、ダメの数やセキの扱いの違いで1目くらいずれることがあります(厳密にいうと中国式はもうちょっと複雑です。が、これはわざと難しくしてるだろ!ってツッコみたくなるので省略w)。
初心者のうちは日本ルール(地+アゲハマ)だけ覚えておけば十分です。
もっと知りたい人へ:昔の数え方「古碁」
実は、碁はもともと盤上の石の数を競うゲームだったと考えられます。

古碁では盤上の石数が勝敗のポイントです。黒石が11個、白石が10個で黒の1目勝ち。分かりやすいですね。
数える石は「活きている」ことが条件。とすると、盤上には空点ができます(←2眼)。

これは9路盤の碁。黒石39と白石34で黒の5目勝ち。
この場合、石が2つに分かれているので空点が8つあります。それぞれの石ごとに2つの眼が必要になるので当然ですね。これが白石だけつながっているとしたら、白は2点増える計算になります。これは「切り賃」と言われるものですが現代の碁にはありません。
盤面が大きくなればなるほど石を数えるのが面倒になり、どーにかして簡単に出来ないかと考えてできたのが今の計算方法です。19路盤でダメも陣地も全てに石を置いて石数を数えるのは、考えただけでもスーパーめんどくさいですよねw
古碁、中国式、日本式ともに黒の5目勝ち。不思議ですねw
ちなみに中国のプロも目算は日本式でやっているというし、国際統一ルールで日本式の計算方法に合わせちゃえばいいのにね。……というのは筆者の勝手な意見です。
よくある質問
Q. 盤の上の自分の石は数えないの?
A. 日本ルールでは数えません。数えるのは地(空き地)とアゲハマだけです。中国ルールでは生きている石も数えます。
Q. 地の中に相手の石が残っていたら?
A. その石が「死に石」なら、終局後に取り除いてアゲハマに加えます。生きているかどうかでもめたら、実際に打って確かめます。
Q. セキの中の空き地は地になる?
A. 日本ルールでは地になりません。セキについては「簡単な攻め合いとセキ」で解説しています。
Q. 引き分けはあるの?
A. コミに半目がつくと引き分けはありません。コミが整数のときに同じ点数になると「持碁(じご)」という引き分けです。
次に読みたい記事
数え方がわかったら、次は「どうすれば地を増やせるか」です。まずは石を取る技の基本手筋から読んでみてください。
おまけ
プレゼントした碁盤が有効活用されている。オジサンは嬉しいぞ(TωT)ウルウル
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「中国式の数え方」の図は▲に継ぐとF7に差し込まれて死にますね