囲碁コラム

【清楽 碁物語 第2話】勝ち負けは「盤の上の石の数」で決まる

第1話では、宮国さんが考える「囲碁のはじまり」を紹介しました。今回からいよいよ授業がスタート。テーマは「碁の勝ち負けは、どう決まるの?」です。

📌 この回でわかること

  • 清楽囲碁教室の先生と3人の生徒
  • 清楽式の勝ち負けは「盤の上の石の数」
  • 5路盤で実際に打ってみると……?

ふつうの教え方と、どこが違うの?

日本でふつうに教わる囲碁は「地(じ)が多いほうが勝ち」。地とは、自分の石で囲んだ場所のことです。ところが清楽式では、「盤の上に残った石の数が多いほうが勝ち」と教えます。

日本でふつうの教え方 清楽式
勝ち負け 地(囲んだ場所)が多いほう 盤の上の石が多いほう
数える人 対局者どうし 審判(いなければ対局者どうし)

中国ルールに少し似ていますが、宮国さんがめざしたのは、だれでも同じように打てる「国際統一ルール」。どこが違うのかは、物語の中で少しずつ出てきます。

登場人物

  • 王幸福(ワン・シンフ)先生……台湾出身。国際統一ルールを研究している
  • ボガードさん……ブラジルからの留学生
  • ミミさん……シンガポール出身
  • 翔(しょう)くん……地元の小学校に通う2年生

📖 原稿より

清楽囲碁教室、開講

教室では、台湾出身の王幸福先生が、3人の生徒に「碁」の手ほどきをするところだ。あなたもいっしょにこの教室に参加して、ぜひ碁が打てるようになってほしい。

3人は、ブラジルからの留学生「ミスター・ボガード」、シンガポール出身の「ミミ」さん、それに地元の小学校に通う2年生の翔くんだ。

王先生は自己紹介の中で「国際統一ルールを研究していて、だれでも短い時間で碁が打てる方法を思いついた」と語った。さらに「碁は単純なルールでできているが、知的好奇心を刺激するその奥深さに、だれもが魅了され、一生逃げられないほどだ」とも付け加えた。

そして、碁を覚える前に、短い感想文を書いておくことをすすめた。あとで碁を覚えて、だれかに教えるときの参考になるのだそうだ。

📝 あなたも書いてみよう:碁を覚える前の、いまの感想(日付と名前も添えて)

この本の約束と進め方

  • 五路盤からはじめて、七路盤、九路盤と進む。実際に盤と石にさわって、手と目をなじませよう
  • 途中の「級のテスト」でおさらいをする。各級に補習とリターンマッチもある
  • 独学でも覚えられるが、2人、3人でやると効率的。家族で覚えるのが理想
  • 王先生のうんちくが長くなることもある。入門者は読み流してよいが、級位者・有段者には何かのヒントになるかもしれない
  • 囲碁用語は最低限。しきたりやマナーは十九路盤の入門書にゆずる
  • 十五級になったら卒業

競技の目的

「盤上に、相手より多く自分の石を残したほうが勝ち」

下の図は、入門者どうしが打った碁の記録だ。

sankouzu1

黒7までの途中経過で、黒石が4個、白石が3個。いまのところ黒が1個有利だ。碁は「盤の上の石が得点になる」というわけだ。

さらに黒25まで進むと、おたがいに打つところがなくなったので終局(試合終了)。終局は対局者どうしで確認して、審判に伝える。

sankouzu2

審判が石の数を数えて、多いほうが勝ち。下の図は、審判が数えやすいように石を整理したものだ。

sankouzu3

黒石13個、白石12個で、黒の1個勝ちとなる。

「碁」という競技は、終局のときに、盤上に自分の石を相手より多く残すことが目的なのだ。

さっそく打ってみよう

王先生王先生
それではここで、石の感触を楽しみながら対局してみましょう。ボガードさんとミミさん、私と翔くんです。読者の皆さんも、五路盤で誰かと対戦してみてください。
王先生王先生
じゃんけんで黒と白を決めて、「よろしくお願いします」とお辞儀をしてから始めましょう。

しばらく打ったところで、王先生は「時間です」と対局を止めた。盤上の石を数えると、ボガードvsミミは黒が1個多く、王先生vs翔くんは白黒同じ数だった。

王先生王先生
本当は最後まで打つのですが、碁を打つ気分を味わってもらいました。感想を聞かせてください。
ミミミミ
なんだか物足りないです。交互に打つんだから、石の数は先に打ったほうが1個多いか、同じ数に決まっています。
ボガードボガード
ミミさんと同じです。本当の碁はこれからだと期待しています。
翔翔
先生と同じ数です!引き分けですか?

※ 碁石は「1子(いっし)」「2子(にし)」と数えます。

王先生王先生
さて、競技の目的「盤上に相手より石を多く残す」がわかったので、続いてルールに入りましょう。盤上に置かれた碁石には「機能」と「制約」があります。それが囲碁のルールのすべてで、とても単純明快です。

編集部のひとこと

「石の数が多いほうが勝ち」。オセロと同じで、とてもわかりやすいですね。

でも、ミミさんの言うとおり、ただ交互に置くだけなら差はほとんどつきません。差がつくのは「石を取ったり、取られたり」するから。そのしくみが、次回のルールの話です。

✅ 第2話のまとめ

  • 清楽式の目的は「盤上に相手より多くの石を残す」
  • おたがい打つところがなくなったら終局。審判が石を数える
  • ただ置くだけでは差がつかない。差がつくのは石を取るから

次回予告

第3話は「囲碁のルール」。清楽式では、ルールはたったの4つと、「コウ」の決めが1つだけ。石の「命」=活点(かってん)が登場します。

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