最近、ちょっと変わった囲碁のWebサービスが次々に登場しています。石に表情がある囲碁、工場を建てる囲碁、落ち物パズルになった囲碁、そして「囲碁のルールを自分で決める」ゲームまで。
どれも無料・登録不要・ブラウザですぐ遊べるものばかり。しかも、囲碁を知らない人でも楽しめるように、囲碁を「別の入り口」から見せてくれます。今回は、編集部が実際に遊んで面白かった4つを紹介します。
📌 この記事で紹介するサービス
- ぷに碁……表情のある石で、小さな盤からはじめる囲碁
- ファクトリ囲碁……石のかわりに「工場」を建てる対戦ゲーム
- 黒白 KOKUBYAKU……囲碁の石取りで消す、落ち物パズル
- 囲碁は流行りません……プロ棋士が作った、ルール設計シミュレーション
4つのサービスをくらべてみると
| サービス | どんな遊び? | 囲碁の知識 | こんな人に |
|---|---|---|---|
| ぷに碁 | AIと小さな盤で対戦 | なくてOK | はじめて囲碁を打つ人 |
| ファクトリ囲碁 | CPUや友だちと対戦 | なくてOK | ルールを楽しく覚えたい人 |
| 黒白 KOKUBYAKU | ひとりでパズル | なくてOK | すき間時間に遊びたい人 |
| 囲碁は流行りません | 選ぶだけの物語 | ゼロでOK | 囲碁好き・教える立場の人 |
1. ぷに碁|表情のある石で、はじめての一局

「ぷにっとつながる。囲碁が、好きになる。」がキャッチコピー。名前のとおり、ぷにぷにした表情のある石で遊ぶ、入門者向けの囲碁ゲームです。
石どうしのつながりや、取られそうかどうかが石の表情でわかるので、「この石、危ないの?」が見ただけで伝わります。盤は5路〜9路の小さな盤で、AIを相手に短い時間でサクッと一局打てます。
ルールは、たったの4つ。
- 黒と白が順番に石を置く(パスもできる)
- つながった石のまわりの空きがすべてふさがると、取られる
- 前と同じ形に戻る手は打てない
- 2人続けてパスしたら終わり。盤の上の石が多いほうが勝ち
「純碁」というシンプルなルールがもとになっていて、むずかしい「地」の数え方はなし。遊び方のページには、石の取り方や「眼が2つあれば取られない」という生き死にの話、やさしい練習問題10問まで、図つきでそろっています。スマホアプリも公開予定だそうです。
じつはこの「盤の上の石の数で勝ち負けを決める」考え方、当サイトの連載「清楽 碁物語」第2話で紹介した、沖縄の囲碁クラブ「清楽」の教え方とそっくりです。次に紹介するファクトリ囲碁も同じ数え方。「地」を数えるより、ずっとわかりやすいんですよね。
2. ファクトリ囲碁|石が「工場」になった囲碁

黒と白が交互に工場を建てていく、スチームパンク風の対戦ゲームです。見た目はまったく別物ですが、中身はしっかり囲碁。囲碁の言葉が、すべて「工場の言葉」に置きかえられています。
| ファクトリ囲碁 | 囲碁でいうと |
|---|---|
| 工場 | 石 |
| 排気口 | 呼吸点(ダメ) |
| 排気口がすべて塞がれて爆発 | 石が取られる |
| 排気口が確保できない場所には建てられない | 着手禁止点 |
| 煙突 | 眼 |
| 煙突2か所で大型工場(絶対に爆発しない) | 二眼で活き |
「排気口が塞がれたら爆発」「煙突が2本あれば絶対に壊れない」——囲碁で初心者がいちばんつまずく「活き死に」が、こんなにすんなり頭に入る説明は初めてかもしれません。
- 盤の大きさは9路・13路・19路
- CPUは「見習い」から「名匠」まで4段階。2人で交互に操作する対戦もできます
- 終わりは2人続けてパス。盤の上の工場の数で勝ち負けを決めます(後手の白には7.5ポイントのハンデ)
3. 黒白 KOKUBYAKU|囲めば消える、落ち物パズル

キャッチコピーは「囲めば、世界がほどける。」。黒と白の4個ブロックが落ちてくる、いわゆる落ち物パズルです。ただし、消し方が囲碁。
- 同じ色でつながった石のかたまりを、上下左右すきまなく囲むと消える(斜めは数えない)
- 壁と床も「ふさがった辺」になるので、端を使えば少ない石で取れる
- 横一列を同じ色でそろえても消える
- 消えて落ちた石で、また囲めたら連鎖。2連鎖で2倍、3連鎖で3倍
「端なら少ない石で取れる」は、囲碁でもまったく同じ。夢中で遊んでいるうちに、石を取る感覚が自然と身につきます。ブロックは7種類で、1つだけキープできる「ホールド」もあります。
4. 囲碁は流行りません|あなたが「囲碁のルール」を決める

現役のプロ棋士・芝野龍之介さんが作った、ルール設計・普及シミュレーションです。あなたは、まだ誰も囲碁を知らない国の「囲碁普及局長」。国民から届く陳情(文句)に答えてルールを決め、遊ぶ人を増やしていきます。
最初の陳情からして、こうです。
「囲碁をやれと言われたので来ました。でも、碁盤が3種類あるんですけど!どれを使えばいいんですか?」
9路盤なら手軽だけど物足りない、19路盤なら奥深いけど最初の一手から迷う……。どれを選んでも、別の誰かが怒りだすのがこのゲームのミソ。ときには「勝敗は人気投票で決めよう」なんて案まで飛び出します。
- 囲碁の知識はゼロでOK。選ぶだけで、1回は最大10ターン
- 途中でやめても、ブラウザに自動保存されて続きから遊べる
- 日常の運営から、機械・宇宙・時間装置が出てくるSFの分岐まで。結末もいろいろ
トップページに書かれているとおり、「ルールを変えたら、別の誰かが怒りだす」。どんな結末にたどり着くかは、遊んでのお楽しみです。みなさんの国では、囲碁は流行るでしょうか?
「囲碁がなかなか広まらないのはなぜか」は、囲碁を愛する人たちの永遠のテーマ。連載「清楽 碁物語」の宮国利一さんも、同じ悩みから「教え方」を作り直しました。第8話では、博打禁止令の危機から19路盤が生まれる、という王様と大臣の物語まで書いています。このゲームとあわせて読むと、ニヤリとできるはずです。
編集部のひとこと
4つに共通するのは、「囲碁のルールはそのままに、見せ方を変える」ことです。表情のある石、工場、パズル、国づくり。入り口が変わるだけで、囲碁はこんなにとっつきやすくなります。
囲碁を知らない家族や友だちに「ちょっとこれやってみて」とすすめるのにもぴったり。気に入ったら、本物の碁盤でも打ってみてくださいね。
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じつは「囲碁は流行りません」を作った芝野龍之介さんのページも、MIRUGOにあります。弟の芝野虎丸さんは、いま一力遼さんと名人戦の七番勝負を戦っていて、10月28日の第7局で決着します。ゲームで囲碁にふれたら、ぜひプロの大一番ものぞいてみてください。
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